【政治7】美しい国


「富国有徳のガーデンアイランズ」に向けた「美しい国づくり」
 (「美しい国づくり」企画会議メンバー、静岡文化芸術大学学長 川勝平太

 私の思い描く美しい日本は「富国有徳のガーデンアイランズ(日本列島)」
です。

 「富国強兵」の国是は経済力と軍事力とを一体とした強い国づくりのため
のものでした。日本は、敗戦を経験して軍事立国のアナクロニズム(時代錯
誤)を認識し、経済立国も心を豊かにするとはかぎらないことも経験済みで
す。

 「物の豊かさ」よりも「心の豊かさ」を求める人が多くなっています。経
済力は、幸福の必要条件ですが、十分条件ではありません。「徳は孤ならず」
(『論語』)といわれるように、学徳は人をひきつけるように、国家が徳
(品格)を持ち、海外から尊敬される、それが「富国有徳」です。

 軍事力は防衛と国連の平和維持活動に、経済力は文化の向上のために使う。
文化力をつけて、「力の文明」から「美の文明」になることが課題です。美
の文明とは「いいなあ、かっこいい、美しい」と感動させる文化をもつ国に
なることです。

 何をもって美しいとするかは、人によって異なるので、政府が押し付ける
ことはできません。各人が生き方に花のあるスタイルを持つこと、地域が感
動に満ち魅力的になること、それが文化力を磨く道であり、「これぞ!」と
思う地域づくりの競い合いをする。この競い合いに害はありません。感動を
生むことの競い合いです。

 「文化的景観」という言葉をご存知ですか。ユネスコが導入して15年が
経ちます。文化的景観とは、人の心が入っている景観です。日本には「借景」
や、山岳信仰、沖縄のニライカナイ(*)のような海洋信仰があります。海
に開かれた日本列島全体を「文化的景観」で表現すると「ガーデンアイラン
ズ」といえるでしょう。

 「美しい国づくり」は、西太平洋に弧状に浮かぶ美しいガーデンアイラン
ズと呼ばれうる世界一美しい国への道です。それは「水の惑星(地球)を宇
宙に浮かぶ美しいガーデンアイランドにする」という理想へ向けて、日本が
先導役になることでもあります。


 後日書き足します。

 S 歯医者(歯垢除去)